月曜日, 19 of 10月 of 2020

Category » ドイツ・オーストリア

読書 ゲーテに学ぶ幸福術

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ゲーテと言えば、推定IQ210で、天才研究には必ず登場する世界文学の巨人

その作品群をちゃんと読みたいと思いつつも、重厚な作品が多いので、いつも本書のような軽い解説書に流れてしまいます

外から見る限り、ゲーテほど幸福な人生を送ったひとは珍しいように思える

若くしてベストセラー作家となり、小国とはいえワイマール公国の首相のような重責をにない、世界の文学史に残る作品群を生み出し続けた

石原慎太郎を、もっとはるかにビッグにしたような感じかなぁ

しかも相当なプレイボーイで、次から次へと恋をして、1人の恋人に1000通以上ものラブレターを送ったりもするし、その経験を詩や小説のコヤシにもしていく

恋愛対象の女性に対しては、かなり残酷なこともしたようで、多少サド傾向があったのかも

最後の恋は、何と73歳のとき19歳の少女に熱を上げ、真剣に求婚までしている(当然、断られましたけど)

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そこらのチンピラならともかく、相手はドイツ文学界の重鎮だから、少女の親もビックリしただろうね

新首相になりそうな菅さん(71、→)が、AKB48のメンバーの誰かに、毎日のように真剣かつ熱烈なラブレターを送り続け、ついに結婚を申し込んだようなもの

驚く周囲に対して「天才には青春が何度も訪れる」などと言っている

実際、ゲーテの人生には数年ごとに高揚期があり、恋や著作に対して非常に活動的になっている

著者は、大学を出てから数年間、ミニコミ誌の編集者をした以外は、翻訳家や物書きとして生きて来たらしい

読んでいると、やや世間知らずな学者先生風の印象も受けるが、とにかく読みやすい

幸福論ではなく幸福なので、具体的な生活指針のような話が多く、ゲーテの精神病理面への言及はほとんど無い

何しろ世界史的な天才なので、凡人にはマネできないことも多い

(^_^;)

 


読書 ハーメルンの笛吹き男

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1284年6月28日の朝、ドイツ北部ハーメルンの街に異様な服装の男が現れて、笛を吹いた

すると街の中の子どもたちが、家々から出てきて男の周りに集まり、そのまま男に連れられて街の外に出て、130人が姿を消した

これが有名なハーメルンの子ども失踪事件

悲嘆に暮れた親たちは、街の重大事件として記録に残した

やがて話に尾ひれが付いて、ドイツを代表する伝説となってゆく

本書は、この伝説の背後にある事実関係を探ることで、推理小説のように興味を引きながら、中世の都市における人々の社会、生活、楽しみ、苦悩、時代精神を探っていく

社会の最底辺で呻吟しながら生きた人々が、どのような気持ちで毎日を生きていたのかが、少しずつ伝わって来る

ドイツ中世史を探る著者が、ドイツの資料館で、歴史文書をコツコツと探る姿

そこには、歴史が紡ぎ出される作業というものが実感できる

(^_^;)

 

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▲現在のハーメルン 奥の尖塔がマルクト教会

 


読書 物語ドイツの歴史

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ドイツ人って、なんか変だなぁという素朴な疑問に答えてくれそうな本

謹厳実直でクソマジメ

機械に強い

カルトにハマリやすい

ユダヤ人を目のカタキにする

魔女狩りが最も広く行われた

フランスとは敵対するがイタリア人とは仲が良い

壮大な哲学体系をつくる

クラシック音楽の天才たちを輩出

世界戦争で負け組になることが多い

表面的には日本人と似ているところもあるが、よく見るとまるで違っている

その背景には、

ゲルマン部族社会の伝統

フランク帝国や神聖ローマ帝国の歴史

国家統一の遅れ

三十年戦争における農民の悲惨

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などがあるし、さらに、

大宇宙と小宇宙という二重の世界観

プロテスタントの禁欲主義

教会による懺悔(罪の告白、→)の強制

「協会」という教養理念の培養基

などが浮かんでくる

現在、EUを実質的に支配して「第4帝国」を目指しているようにも見え、アメリカとはソリが合わず、中国には妙な親近性を持っている

まあ変わっていると言えば、イギリス人やフランス人、アメリカ人だって相当に変わっているし、日本人だって余り人のことは言えないんだけどね

「物語」とあるように、ストーリー性をもって語られていて、非常に読みやすい

(^_^;)

 


読書 ねむり姫の謎

浜本 ねむり姫の謎 糸つむぎ部屋の性愛学  -_01

「中世の暗黒時代」に、人々は何を楽しみに生きていたのか?

テレビも無い、本も無い、遊びに行く繁華街も無い中世ヨーロッパの田舎に生きる貧しい農民たちにも、楽しみの空間はあった

それが、糸つむぎ部屋

古くから糸つむぎ(綿花から糸を作る作業)は女性の仕事とされ、退屈な作業のウサ晴らしに、若い女たちは村の糸つむぎ部屋に集まって糸をつむぎ、その合間にいろいろウワサ話などオシャベリを楽しんだ

糸つむぎに行くと言えば、親たちも余りうるさいことを言わないので、それを口実に堂々と外出できた(親たちも若い頃、同じことをしていた)

若い女が集まっていれば、それ目当てに村の若い男も集まって来て、糸つむぎ部屋は若い男女の出会いの場となった

やがて男女の会話や歌や飲食、ダンスの場となり、キスや抱擁が始まり、時には乱交パーティーにも似た雰囲気になった

「暗黒時代」どころか、けっこう楽しそうだね

グリム童話に代表される、中世からの言い伝えは、糸つむぎ部屋を背景とする話が多い

性的な乱れを嫌う教会は、ときどき禁止令を出したりするが、まったく徹底されない

近代になって糸つむぎの場が工場に移るにつれて、村の糸つむぎ部屋は消えてゆく

日本の田舎でも、若者部屋とか夜這いの習俗は、つい最近まで残っていた

(^_^;)

 


読書 中世の星の下で

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海外旅行でいろいろな国の名所旧跡を巡るのは楽しいが、やがてそのような文化を生み出した国民性や民族性に興味が移って来る

同じように歴史を読んでいると、華々しい事件や変革の背後にある時代精神のようなものが知りたくなる

特に中世と言われる時代には、日本でも西洋でも、現在とはかなり異なる世界観や人生観、価値観があったはずだ

表面的に現代と比べると、かなり厳しい、つらく苦しい時代に見えるが、当時の人々は我々の住む現代(つまり彼らにとっての未来)のことなどまったく知らないし、今が「中世の暗黒時代」だと思って生きていたはずもない

そんな中世に生きた「ふつうの人々」の日常生活や心のヒダを探ろうとするエッセイ集

彼らは、どんなことを生きがいにして、何を恐れ、何を楽しみにして毎日を生きていたのか、それが少しずつ見えてくる

著者はドイツ中世史が専門の歴史学者で、一橋大学の元学長

(^_^;)

 


読書 すてきな旅「ドイツ」

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旅行ガイドですが、歴史や文化についての説明が詳しい

半世紀以上前の1965年発行なので、東西ドイツ分裂状態の雰囲気が伝わって来る

その20年前に第二次大戦で徹底的に破壊されたはずだが、日本と同様に「奇跡の復興」なのか、中世を感じさせる美しい街並みが蘇っている

中央集権のフランスと異なり、地域の特色が際立っているドイツは、場所が変われば別な国のようだと言っている

大雑把に言えば、北部はゲルマンそのもので謹厳実直だがちょっと暗い、南部はラテンっぽくなり明るい

(^_^;)


読書 曲げないドイツ人 決めない日本人

★曲げないドイツ人 決めない日本人_ ドイツ人僧侶が語る日本人の才能 (サンガ新書)_01

著者は、禅にあこがれて来日25年、日本で禅寺の住職をしているドイツ人

日独双方の思考や行動の違いを、ユーモラスに書いているが、本当に水と油ほど違うので、大変だったんだろうなぁ、と思う

著者はドイツ人の国民性を、ヨーロッパの中でもかなり特殊と見ていて、それはゲルマン民族が農業を始めるのが遅く、割と最近まで野蛮な生活をしていたせいだと考えている

ドイツ人の心の中には獰猛なイノシシが住んでいて、普段は理性的に生きていても、ときどきそのイノシシが暴れだすのだと言う

なかなかうまい例えだと思う

(^_^;)


読書 ドイツ人と日本人

★ドイツ人と日本人、似てるの? 違うの?_ ドイツ人との仕事・生活での付き合い方  ドイツ人と日本人の国民気質の違いを様々な視点から比較_01

著者は、ドイツ人と一緒に働いた日本人

ドイツ人の人生観は「人生は険しいもの。懸命に働いて糧を得よ」に尽きると言う

徳川家康の人生訓みたいだな

大体、よく言われているドイツ人の特徴が書いてある

特にドイツ人は仕事の計画、もっと言えば一人一人への仕事の分担とスケジュールを細かく決めることに最大のエネルギーを注ぐそうだ

これがきちんと出来上がると、あとはスムーズに進む

途中で想定外のことが起きて計画通り進まなくなると、日本人のように柔軟に軌道修正しないので、計画修正に手間がかかるらしい

内容的に、さほど深いことは書いてない

(^_^;)


読書 魔女とカルトのドイツ史

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イタリアでルネサンスの文化が花開いていたころ、多少のズレはあるが、ドイツ(神聖ローマ帝国)では、宗教改革と魔女狩りが「花盛り」であった

生真面目で律儀、仕事は正確なんだけど、なんとなく余裕がなく、陰鬱で、不機嫌そう、というようなマイナスイメージも付きまとう

そして20世紀、ヒトラーが先頭に立って、派手にやらかしてくれた

とにかく、ドイツ人は何かが違う!

日本も一時は組んだし、明治の日本はお手本にしたこともあるけど、この何かが違う感じは何だろう?

これをドイツにおけるカルト集団の歴史の中で解き明かしている

ひと言で言えば、カルトにハマり易い国民性、民族性

その背景には、合理的な表層文化の裏に潜む、非合理主義の基層文化、ドロドロしたデモーニッシュな心理、キリスト教文化に抑圧されたゲルマン精神

社会が大変動して、ドイツ人が強いイライラに陥ると、これらがまた噴き出してくるかもしれないよ

((((;゚д゚))))

 


読書 ユダヤ人とドイツ

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ユダヤ人とドイツ人、この宿命のライバルの複雑な絡み合いを、中世以降の西洋史の中に位置付ける

ユダヤ人も不思議な民族だが、ドイツ人もかなり変わってる

どんな非人間的な、どんなナンセンスな命令や規則でも、命じられれば、計画的・組織的・機械的に確実に実行する

ヒトラー時代のユダヤ人弾圧から大虐殺へ至る数年間の詳細なプロセスは、魔女狩りとならぶ人類史の闇だ

それを規則正しく粛々と実行したドイツ人を思うと、読んでいて気持ちが悪くなってくる

「義務を果たせば、未来が開ける」というのがドイツ人のモットーだそうだ

日本の体育会系組織の古い体質にも似ている

独裁者にとって都合が良く、全体主義に向いている

沈没する船から救命ボートに移るとき、子供や女性を先にする場合、ドイツ人の男は「それが規則です」と言えば納得する

ちなみに米国人なら「そうすればヒーローになれる」、日本人なら「みんなそうしてます」だそうだ

もちろんジョークだが、国民性の本質を突いている

残念ながらユダヤ人の分は無い

(^_^;)