土曜日, 26 of 9月 of 2020

読書 謎の女帝・持統

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古代史というのは、史料が乏しいがゆえに、主に推理と仮説から出来ている

とは言うものの、従来の日本古代史の常識とか通説を、これだけ見事にひっくり返されると、いささか呆然とした気分に襲われる

日本古代史で最も権威あるとされている史料(日本書紀)のウソをコテンパンに突き崩している

しかも空理空論とも思えず、かなり説得力のある論証を行っている

もちろん専門の歴史学者が見たら、いろいろ突っ込みたくなる点もあるのかもしれないが、ワタクシ的には、今まで古代史の本を読んで納得できなかったところ、不自然だなぁと思っていた部分が、霧が晴れるようにスッキリする

壮大な推理小説を読んで、最後に名探偵が登場して、見事に謎の解明をしてくれているような感じ

他の研究者の成果も大いに利用しているから、すべてが本書の著者の力量ではないが、それでも大したもんだなぁと思う

著者の推理が正しいとすると、日本の皇室は朝鮮半島(百済)からの亡命者(その代表は藤原鎌足・不比等親子)によって乗っ取られ、そのまま現代まで続いていることになる

その乗っ取りの手口が、ホレボレするほど実に鮮やかで、この超天才親子の頭脳のキレの良さには、ホトホト脱帽する

本来なら、日本列島の外から来た連中に日本の皇室が乗っ取られたのだから、多少は残念なはずだが、むしろこれほどの超天才に乗っ取られたおかげで、天皇制は脈々と現在まで永続したのではないかとさえ思えてくる

そして天才親子に利用され、結果として天皇家を乗っ取られた持統女帝の生涯を見ると、これはこれで何とも悲しいような哀れなような、複雑な気分になる

いま愛子さまを天皇にという女帝待望論が盛んだが、女性が天皇になることの意味を考える上で、無視できない歴史的事実のひとつがここにある

(^_^;)