水曜日, 5 of 8月 of 2020

読書 西洋中世の愛と人格

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日本人を説得して何かをさせるには「みんなやってますよ」と言えというのは、ジョークだけではなく、実生活でもよく体験する

日本人の自我の支えには、自分を取り巻く人間関係があり、それを日本では昔から「世間」(せけん)と呼んできた

日本人が最も恐れるのは、世間から爪はじきされることであり、世間の中で恥をかくことを恐れるので「恥の文化」とも呼ばれている

このような世間主義文化の対極にあるのが、西欧風の個人主義文化であり、「罪の文化」とも言われている

「日本人は個人主義が確立してない」などと偉そうに言う「進歩的文化人」が、少し前まではいたものだが、さすがに最近では、頭の悪い高校生くらいしか、こんなことは言わなくなった

いま大騒ぎになっている中国コロナ問題では、世間主義文化の方が、うまく対応しているように感じる

しかし、日本人の日常行動を現在でも広く規定している世間主義文化の中身となると、実は曖昧模糊としていて、よく分からないところが多い

政治家が不祥事を起こしたりすると「世間をお騒がせして申し訳ない」などと言って謝る

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なぜ世間を騒がすことがいけないのか、たぶん外人さんには理解できないだろうし、日本人だってよくわかっていない

少なくとも、「世間を騒がすな」などという法律は無い

著者はヨーロッパ中世史が専門なので、逆に西欧風の個人主義文化にメスを入れ、それがカトリック教会によって過去何百年もかけて人工的に(強制的に)つくられた文化であることを示し、それとの比較の中で、日本の世間主義文化を解明しようとしている

この著者の本は割と読みやすいのだが、本書は専門家向けに本気で書いたようなところもあり、読むのに少し骨が折れた

(^_^;)