火曜日, 11 of 8月 of 2020

読書 夜這いの民俗学

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他に娯楽の少ない田舎や、都会で働く下層民にとって、昭和の初めころまで、夜這い(よばい)はごくごく普通の生活習慣だった

田舎の村で、一人の男(女)が村のほとんどの女(男)と関係していることなど、さほど珍しいことではなかった

商店では、番頭や手代、丁稚が、店の奥にいる女中に手を出すのは日常的だった

21世紀のいま読むと「ほんまかいな?」という赤裸々な話が続き、現代の日本人が抑圧している性欲が、実に大らかに、大っぴらに開放され、繰り広げられている

現代のオフィスラブなどとは次元の異なる、底抜けの自由奔放さだ

江戸時代からの儒教道徳などは、一部の武士階級だけに通用していたタテマエに過ぎなかったことがよく分かる

いまの世の中は、人間の根源的な楽しみである性が抑圧され、その反動として膨大な種類の娯楽が生み出されたのではないか?という逆説さえ感じる

著者は1909年生まれで、関西の田舎で生まれ育ち、大阪で丁稚奉公などいろいろな仕事を経験しながら、なぜか民俗学的な興味に取りつかれ、ひたすら体験し記録した

正統派民俗学の柳田國男には反発し、性とやくざと天皇を話題にしていないとして厳しく批判している

学者風に話を抽象化したり一般原則を導き出したりせず、ひたすら事実を延々と記述しており、非常にリアリティがあって面白い

今となっては、ほぼ消えてしまった古き良き時代?の、極めて貴重な記録である

(^_^;)