火曜日, 11 of 8月 of 2020

ボルトンさんの著書

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 底抜けにトンデモない馬鹿

  選挙で選ぶという意味で

 韓国民と愛知県民は

  とても良く似ています  (^_^;)

 

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前米大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトンさんの回顧録

The Room Where It Happened(→)

が出版され、その内容の過激さゆえにおおいに話題になりました。

各方面の有識者コミュニティで熱心に回覧され分析されたところ、ほとんどの事象について、ボルトンさんは嘘をついていないだろう、という見立てとなっており、結論からすれば

「現代アメリカ外交の現状を理解するには好著」

と言えます。

原典で読めない人のためにも、さっさと日本語版が出て、みんなが本を読み進めるごとに爆笑するのを見たいです。

ただ、前提条件が2つあります。

ひとつは、これは渡瀬裕也さんがお書きになっていますが

「こんな赤裸々な外交状況を書いてしまったら、

 アメリカの外交機密に対する信頼は、地に堕ちるだろう」

という点。

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もうひとつは、ボルトンさん(→)が結果として、トランプ外交の行き詰まりを暴露することで、トランプ政権に対するダメージよりも、韓国大統領・文在寅がアカン人だ、という印象を抱かせる点です。

もちろん、ボルトンさんが取り上げたトピックや国・地域は多岐にわたるのですが、韓国大統領・文在寅の非核化構想は「統合失調症的」と断じたり、いちいち面白いのです。

言うなれば、年齢的にもキャリア的にも、次のアメリカ政府高官への抜擢は無いボルトンさんが出版に向けておカネを積まれて、ボルトンさんをクビにしたトランプさんへ銃撃してみたら、その横にいた文在寅さんの眉間にヒットしたようなものです。

もちろん状況だけ見れば、泣くほど面白い展開ですが、面白過ぎるのが問題なのです。

トランプさんに関しては、いくらボルトンさんが実例を出して「如何にトランプさんや政権の面々がクズか」とこき下ろしても、読む側からすれば、まあ、きっとそうだったんだろう、トランプさんなら「さもありなん」という印象しか受けません。

みんな、トランプさんは「どう考えても知性面でヤバい」と思っとるわけです。

それを、副大統領のペンスさんや、かつてトランプさんを支えた前国防長官・マティスさんのような「まともな人たちが支えていた」という構造であることは、みんな衆知なのですよ。

その中で、トランプ外交において、まだいまほど米中対立が先鋭化していなかったころに、東アジアの安全保障の重要なイシューとして出てきた北朝鮮問題について、ボルトンさんは本書で克明に状況を記しています。

トランプさんは、北朝鮮の若き独裁者・金正恩さんを「ロケットマン」と煽るわけですが、後日もう少し関係を修復しようとして『ロケットマン』と題されたエルトン・ジョンの音楽CDを金正恩さんに贈ろうとします。

馬鹿なのかな。

いや、本当にトランプさんの外交センスもさることながら、深く知性が疑われるエピソードが本書ではたくさん陳列されているわけですが、本当にビビるのはここからです。

ボルトンさんは、そもそもブッシュ政権時代にイラク戦争を強行したネオコン派の1人で、共和党タカ派であり、安全保障の障害である北朝鮮に対しても強硬な立場を取っていました。

主義主張はともかく、能力的には非常に優秀な外交官のひとりです。

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そのボルトンさんに対して、韓国大統領・文在寅さん(→)は、米韓同盟を軸に、対北朝鮮で軍事的オプションを提示します。

ところが、2018年4月27日に文在寅さんと金正恩さんは、南北軍事境界線上の板門店で11年ぶりとなる南北首脳会談を開催します。

その翌日、文在寅さんはトランプさんに電話をかけ、金正恩さんが

「韓国に対して『核実験場の閉鎖』と

 『完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)』

 を約束したのだ」

と伝えるのです。

結果的にこれは、韓国外交をトランプさんに誇示して、米朝交渉の間に何としても韓国が挟まるためにでっち上げた真っ赤な嘘であり、韓国の「2枚舌外交」だという話になります。

北朝鮮は、そんな核廃棄の方針など韓国に伝えていなかったんですね。

ボルトンさんが本書の中で韓国・文在寅さんへの不信感、不快感を繰り返し表明します。

仲介者であるべき韓国の大統領が単なる嘘つきであり、使い物にならない外交上のツールであると判断していることの証左でもあります。

外交成果を喧伝するための、米韓朝3国会談のテレビ映えにこだわった、文在寅さんの考えや立場は独善的なものでした。

結果として、文在寅さんからの真っ赤なウソの情報に基づき、平壌を訪れて国務長官のポンペオさんが北朝鮮と非核化(CVID)協議をすると、北朝鮮側が「一方的で強盗のような要求だ!」と激怒してしまいました。

北朝鮮も、まさか文在寅さんが「北朝鮮に核兵器廃棄の意志がある」というガセネタをトランプさんに伝えていたなんて知らなかったわけですよ。

北朝鮮側がアメリカに怒り不信感を持つのも当然で、本件では北朝鮮は悪くない、というよりは、嘘をついてでも米朝外交に入り込もうとした文在寅さんが完全にアカンのです。

シンプルにトランプ政権がその真っ赤なウソに騙された結果、対北朝鮮交渉が暗礁に乗り上げてしまいました。

下手をすると何百万人と死にかねない北朝鮮との外交交渉が、韓国政府発の真っ赤なウソをみんな信じ込んで大混乱になるというのは、歴史秘話ヒストリア入り待ったなしであります。

これだけでも充分数日は思い出し笑いのできるレベルの面白さなのですが、韓国に騙されたことを知った、その後のトランプ政権による韓国冷遇も、また、読んでいて「これは小説なのではないか」と思うぐらい痛快です。

一方で、我が国に対する言及は比較的穏当で、またトランプさんと総理・安倍晋三さんの間での相性の良さ、というか一方的な安倍さんの「トランプヨイショ」が絶妙に効いて、思いやり予算4倍の年間8500億円という吹っ掛けを回避するために安倍さんがあの手この手揉み手で頑張った、ということが書いてあります。

このクソ大変な時代の、日本にとって超重要な日米関係が安倍ちゃんの営業力でどうにかなってしまったというのは僥倖というほかありません。

国内では立憲民主党や反日マスコミから、嘘つきだの馬鹿だのと罵られ煽られる安倍ちゃんも、国際的には日本の宰相としての長いキャリアのお陰で随分信頼され、愛されているのだなあと解されるのであります。

ボルトンさんのこの回顧録を通じて、日本の行く末や東アジアの今後の安全保障を考える補助線を与えてくれるわけですが、しかし、日本の置かれている現状や立場というのはとても流動的です。

そもそも、本来日本にとって命綱であるはずの日米同盟が、トランプさんのアレさ具合で微妙な雰囲気になっているのは、本書も解説されています。

同時に、本来ならもっと日本と緊密な連携を取るべき韓国のイケてなさ、火薬庫となり北の妹様が君臨する北朝鮮を挟み、超大国になろうとしている中国と、現在の覇権国家アメリカとの対決において、文字通り最前線になる日本は、安全のための「切なる悩み」を抱かずにはいられません。

そりゃ確かに、基地先制攻撃能力を確保していかなければ、日本が守れないんじゃないか。

なぜならいつまでもアメリカ様が日本の安全保障に介入してくださるとは限らないんだから、という理屈も理解できます。

また、11月3日に控えるアメリカ大統領選挙でトランプさんが勝つのかどうかという不安定要因もありつつも、単に本書を暴露本と捉えず世界における日本の立場、役割を再検証しながら読み進めるという価値はあると思うのです。

ご関心のある方は辞書引きながらでも通読されると本当の意味で血肉になると感じます。

また、日米関係だけでなく地域問題に通暁された分野があれば爆笑待ったなしのナイス本です。

これを読んでしまうと、やはり先日辞任した国防長官、ジェームズ・マティスさんの著書

『Call Sign Chaos: Learning to Lead』

も併せて読みつつ、マティスさんでもボルトンさんでもいいので、日本政府のお目付け役、顧問として招聘したらいいんじゃないかとすら思うんですよね。

思いやり予算だけで8,500億円も吹っ掛けられているんですよ。

彼らが日本に来ていろいろ教えてくれるなら、10億でも20億でも払ってあげていいんじゃないかと感じるんですが。