金曜日, 15 of 1月 of 2021

中国ウイルスの残存期間

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中国コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、中国コロナ感染症)の感染拡大が止まらない。

このウイルス、いったいどれくらいの時間、環境中に残存し続けるのだろうか?

(ウイルスは「半生物」なので生存ではなく残存を使った。また、この記事の内容は2020/04/12までの情報に基づいています)。

接触感染からの経路とは

厚生労働省のホームページによれば、中国コロナウイルスの感染の経路は、大きく飛沫感染と接触感染が考えられるとしている。

飛沫感染は、感染者の飛沫(くしゃみ、咳、唾液など)と一緒にウイルスが放出され、それを感染者以外の人が口や鼻から吸い込むことで感染する。

これが、感染者との接触を防ぐために可能な限り外出を控え、いわゆる

「集近閉(しゅうきんぺい)=集まる・近寄る・閉鎖空間」を避ける

ことが感染予防のために重要とされている理由だ。

接触感染というのは、感染者がくしゃみや咳をした後、ウイルスが付着した手で周りの物に触れることで感染者のウイルスがそうした物質に移る。

感染者以外の人がそれらの物質に触れることで、ウイルスが手に付着し、感染者に接触しなくても物質を介して感染する。

その物質とは、例えば電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、エレベーターのスイッチ、スマートフォン、メガネ、紙幣や硬貨などだ。

中国コロナ感染症の感染予防のためには、こうした感染者から物質を介して自分の手に付着したウイルスを体内へ取り込まないため、外出して帰宅したらまず入念な手洗いをすることが重要とされている。

では、つり革、ドアノブ、手すり、スイッチ、スマートフォン、メガネ、紙幣や硬貨といった物質の表面に、中国コロナウイルスはどれくらいの時間、残存し続けているのだろうか。

プラスチック表面には3日間

これについては権威ある医学雑誌の一つとされる『The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE』に掲載された論文(※1)が、今のところ最も参考になる。

これは、米国の国立アレルギー・感染症研究所などの研究グループが、中国コロナウイルスを2002年11月から流行したSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)のウイルス(SARS-CoV-1)と比較した調査研究だ。

同研究グループは、2つのウイルスをエアロゾル(Aerosol、ウイルスが含まれる空気中に浮遊する微小な粒子)、プラスチック、ステンレス、銅、段ボールの5つの環境下で比較し、どれくらいウイルスが残存していたかを調べた。

その結果、中国コロナウイルスはSARSウイルスと同様、エアロゾルでは3時間、残存していたことがわかった。

また、これもまたSARSウイルスと同じように中国コロナウイルスは、銅と段ボールよりステンレスとプラスチックの表面上で長く残存していたという。

銅では4~8時間で、また段ボールでは24時間後に残存が確認されなくなったのに比べ、感染力は低下したものの、ステンレスで48時間(2日間)後、プラスチックで72時間(3日間)後まで残存していた。

銅の表面ではSARSウイルスのほうが長く残存できるようだが(4時間:8時間)、段ボールでは逆に中国コロナウイルスのほうが残存時間が長かったという(24時間:8時間)。

さらに、感染力が半減するのは、ステンレスの上で約5.6時間、プラスチックの上で6.8時間だった。

つまり、中国コロナウイルスは、感染力が低下するものの、少なくともプラスチックの上では72時間(3日間)、物質上で残存できることになる。

ただ、中国コロナウイルスについては、まだ研究が始められたばかりで、どれくらいの時間、環境中に残存しているのか、はっきりとはわかっていない。

この研究グループによる実験では、ほぼSARSウイルスと同じ程度の感染力を示していることがわかったということになる。